初心者への内密のヒント

デビューを前に、知っておくべきこと

今の居住地(国や地域)の雇用者・同業者・先輩などに、伝えるべきこと

  • あなたが通訳訓練を終え、仕事があるのなら喜んでさせてもらいますということ
  • あなたがどの通訳言語を扱えるかということ
  • あなたに連絡をとる方法

座って待っていれば仕事がやってくるということはありません。第1歩は自分で踏み出さなくてはなりません.

業界の人に自分のことを知ってもらう

  • あなたの言語が財産になる世界中の国際機関に。
  • 地元の通訳を雇う先および通訳者仲間・団体、通訳派遣組織などに。
  • すべての通訳者仲間に(自分の取扱言語以外の仲間にも)。
  • 自分の 住居地域だけに自分の活動地域を限定してはなりません。

プロの基準に達した仕事をする

  • 自分のパーフォーマンスを自分で聞いてみる。 逐時は自分で練習し、同時は空きブースで練習する。
  • 時事問題には常に最新の注意を払う。
  • 通訳者の使う業界用語の意味に精通すること option(仮案件), firm offer(確定・確約案件), loss-of-earnings(収入喪失・収入被害), relay(リレー通訳), pivot(ピボット言語)などあります。
  • ブース・エチケットを身につける;
  • 通訳の日程表には最新の予定を書き込んでおく。.

プロの通訳者なら誰でも守る原則は守る

会議通訳者は国別、AIICのように国際的にその団体を持っています。ときとして、翻訳者と同じ団体のこともある。

AIICは、1953年に設立されて以来、「倫理綱領 」と「プロとしての基準」を掲げている。主要な国際機関との交渉で、いくつかの協定を結び、通訳者雇用についての合意書面も結んでいる。また、広範な問題についてチェックリストを作成し、調査・研究も行っている。さらに、プロとクライアントの双方に役に立つアドバイスを行っている。

長年にわたり 会議通訳者養成コースの質向上に取り組んで来た。おかげで、世界中の通訳コースにとってAIICはひとつの基準を示すものとなっている(学部・大学院双方でのコースを含む)。

通訳の仕事を十分に理解する

ミーティングや会議は、規模は違っても、その基本的な力学は同じである。忘れてはならないのは、会議通訳者はチームの一員だということ。一言で言えば、会議通訳者の任務は、ことばの障壁を乗り越えて、正確かつ効率的なコミュニケーションを確保することである。とはいえ、どんな会議でもそれなりの要因が必ずある。すべてのプレイヤーが協働して効果的にその仕事をやるとげることで、会議は成功する。フリーランス通訳者は通常、個々の仕事(案件)について、別々の契約を必要とすることになる。仕事の詳細、労働条件・通訳料などについての合意事項を記したものである。この契約は通訳者とクライエントの双方がそれを順守することで、会議はうまく行く。

「備えあれば憂いなし」である。その国際機関の仕事をはじめてするのだったら、具体的な情報やアドバイスをもっていれば、自分のすることもわかるでしょう。

参考文献:First Contract Series

自分のキャリアを自分で管理する

通訳者のキャリアは直線ではないし、徐々に地位が上がっていくものでもない。ここが学界や官僚の世界と違うところである。

会議世界にはいくつかの異なったマーケットがある。

  • 民間の国内市場=企業、政府機関など
  • 民間の国際市場=業界の国際団体、多国籍企業、テレビ、国際的なスポーツイベント
  • 国際機関の市場=国際機関、NGOなど

あなたの選択肢は?

あなたの扱う言語、居住地、個人的趣向などによって、フリーランスとして働くか、組織に所属してその組織内の スタッフとして働くかを選ぶことができる。

 これらのマーケットにアクセスするためには、以下のことが必要である。

  • 訓練中にできた種々の人脈を活用する。
  • 自分の地域で通訳者のチームを作って仕事をしているconsultant interpreterと連絡をとり、居住地の通訳者仲間にも自分のことを知ってもらう。
  • あなたと同じ言語のコンビネーションを持っている仲間に自己紹介する。
  • あなたの言語を必要とする国際機関の言語サービス部門にコンタクトする。EU、国連、国連の専門機関などが地域内にあればここから始める。

いったんプロとして確立した立場に立ち、数年間の現場での経験を経たら、自分がconsultant interpreterとなることを考えてもよい。このような通訳者は、民間市場での種々のクライアントのために、通訳者のチームを作っている。このためには、経験、常識、対人関係のスキル、実務の才覚・商才などが必要となる。ただちに的確な反応を示すこと、敏捷な頭脳、実業の倫理、高度のプロ意識などが必須である。さらに、会議を組織するためには何が必要かを熟知していなくてはならない(通訳料金の提示、契約書のひな形づくり、法的・技術的な問題の解決などを含む)。

参考文献

仕事が来た場合に、yesと言う時と、noと言う時をわきまえる

第1のステップ

  • 自分のもらった情報、あるいは提出してほしいと言われた情報をよく吟味する。
  • 先輩などと連絡をとって、アドバイスを求める。

第2のステップ

  • 引き合いにはできるだけ速く応える。

yesと言うかnoと言うかの判断に関わる要因

  • その日は空いているか。
  • 言語コンビネーションは自分のものと合っているか。
  • 出された条件は、受け容れられるものか。

以下のような事態になったら要警戒である

  • 契約書が交わされない(とくに海外のクライアントの場合)。
  • チームの構成が充分でない。たとえば、使われる言語をチームのメンバーでカバーできてない、 そもそもメンバーの数が少なすぎる、他のメンバーについて尋ねたとき、クライアントが口を濁す、
  • 労働条件が充分でない。たとえば、事前準備のために必要な文書・資料などが提供されない、通訳料が低い、居住地以外の場所で会議が行われるのに日当がない、実働日と移動日との区別がない、ブースや機器が基準に合わないなど。

AIICにはこうした決定をする際に参考になるチェックリスト があるので、参照してください。

不愉快なことでびっくりさせられるのを避ける為、準備をキチンとする。

初めてマーケットに入って行こうとする者にとって、できるだけ多くの仕事を引き受けようとして、誰からの依頼でもyesと応えたくなるのは当然です。しかし、仕事の条件で妥協するのは、長期的に考えると、良くない結果を導くこともあります。落とし穴について熟知していないと、とんでもないことになりかねません。

たとえば:

  • 同時通訳を一人で午前中いっぱい、あるいは一日ずっとさせられる。
  • 自分の言語のコンビネーションにない言語間の通訳をさせられる。
  • 他のブースとの間にカーテンしかなくて、遮音が充分でない。
  • ブースの前が壁で、そこに会場をモニターするテレビが一台しかなく、すべてのブースでこれを見るようになっている。
  • 機器のオペレーターが不在である。
  • そもそもブースがなく、機器のオペレーターの隣で、照明係や音声のミックスをする人たちと同じところで同時通訳をさせられる。
  • …などなど…

基準以下の環境で通訳をするというのは、実にいやな経験です。会議通訳の仕事は極度の集中力を要求し、ひどい条件はどうしてもそのパフォ-マンスに影響を与えます。油断のならない引き合いに直面するのはあなたが最初ではありません。少しでも疑問があったら、必ず先輩の助言を求めること。

自分ひとりではないことを理解する。AIICがサポートします。

あなたの通訳の質は、自分の能力と、どんな状況のもとで仕事をさせられるかに依ります。

会議業界の様子についてよく知っているということは、きわめて有用なことです。国内・国際の民間のマーケット、国際機関があり、さらにここで通訳をいっしょにする仲間もいる。AIICのネットワーキング の素晴らしい価値は正にこの点にあります。

AIIC=国際会議通訳者協会=は1953年に発足しました。当時は、会議通訳という職業自体が歩き出したばかりでしたが、今日では、AIICには2,600人以上のメンバーが80か国以上に居住しています。メンバーであること自体が、プロとしての基準を守り、てきぱきと仕事をこなしていくことを証明しています。

もしメンバーになることを考えていたら、われわれ会員は喜んでアドバイスをし、 支援の手を差し伸べます。

AIICはいったいなにをするのか

AIICは、会議通訳者の国際的な職能団体として、唯一認知されたものです。

AIICは、この会議通訳者と言う専門職全体を代表しています。長年にわたった活動によって、通訳者全体、クライアント、実際に通訳サービスを使う者にとって、ひとつの基準を示しています。

AIICは、その創設以来、いくつかの分野でプロとしての基準を設定してきました。たとえば、労働条件、通訳者の養成、同時通訳装置の基準など。AIICの決めてきた基準が、今では、国連、欧州連合など、会議通訳が行われるほとんどすべての国際機関で適用されています。通訳料など、金銭的な事項についても、このメンバーであるとないとに関わらず、フリーランスの会議通訳者を代表して、様々な国際機関と交渉もしています。

AIICにはベストプラクティスとなる基準がいくつもあります。これはとくに民間マーケットでのお仕事(政府機関を除く)に適用されています。これはプロの会議通訳者の労働条件も改善し、プロの職業倫理の向上にも貢献しています。これには以下のような項目の交渉もあります。

AIICはまた、会議・イベント運営者へのアドバイスや推奨事項を出版し、技術的な側面についてもモニターし、会場のチェックリスト、発表者への通訳設備使用についてのガイドラインなどもアップしています。

AIICはこの職業に関する様々な事柄について、アンケート調査をし、訓練についての研究を実施し、専門基準の普及に努めています

AIICは、以下の分野で最先端の研究・訓練・研修等を行っています。

  • 会議通訳者の 訓練および、訓練者の訓練
  • 認知処理能力に関しての学際的研究
  • すでに現場で通訳をしている者の再研修
  • 同時通訳機器についての基準の作成など
  • UNESCOの勧告事項を通して、通訳職の定義・認知を求める
  • 国際会議などで通訳職のPR活動

あなたがどこに住んでいようと、身近に . AIICの通訳者がいます。あなたの住んでいる地域でメンバーは、その地域や国内の通訳者協会・組合などと協力関係を築いています。AIICへの加入は個人が対象なので、個人として加入します。

AIICメンバーは、できるだけ早くに通訳者としてのキャリアを打ち立て、プロとしての基準に達成せられるよう、手助けをします。AIICに加入し、メンバーになることは、自分の選んだ職業へのコミットメントを示すことになります。

AIICへの加入方法

いつでも、気楽にコンタクトしてください。. さらなる質問、コメントをお待ちしています。


Recommended citation format:
AIIC. "初心者への内密のヒント". aiic.net September 22, 2016. Accessed October 19, 2018. <http://aiic.net/p/7759>.


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