AIICは、会議通訳者を代表する綜合専門職能団体です

プロの通訳者団体を作ることには意義・メリットがあります。フリーの通訳者や国際機関専属通訳者の国際的な団体への入会は真剣に考えましょう。AIICメンバーのこころざしは以下の通りです。

AIICとは?

AIICとはフランス語読みのInternational Association of Conference Interpreters の頭文字をとった略称で、日本語では国際会議通訳者連盟などと訳されます。 AIICが設立されたのは1953年。その頃は、会議通訳という職種はまだヨチヨチ歩きの職業でした。現時点では、2,900名強の会員が100か国以上に在住し、事務局のある本部がジュネーブになります。加入申請をするにあたっては、AIICの倫理要綱(Code of Ethics)と、 プロとしての基準(Professional Standards) を遵守する事が求められます。この(Code of Ethics)と(Professional Standards)は、プロ精神を奨励し、通訳の品質を高めるための集団的努力の粋を文章化したものです。

AIICは、そもそもの成り立ちからご理解頂けるように、国際的な組織です。通訳職の仕事は国境を知らず、したがって、国別の組織の連合体ではなく、単一の国際的組織である事に意味があります。会議の開催地は、通訳者がどこに住んでいるかで決められるわけではありません。供給が需要を追いかける訳で逆はありません。AIICは世界中に存在しています。そのメンバーは、在住する場所によって所属するAIIC「地域」が決まります。しかし、居住地域が変わっても、会員資格はポータブルですので失うことはありません。

AIICはまた業務グループ毎に機能別にも構成されています。Agreement Sector (合意書面グループ)は、長年にわたりAIICが会議通訳者のために交渉してきた大型国際機関、そこで働く通訳者のためのグループです。Private Market Sector(民間セクター)グループは、多岐にわたる国際団体以外の組織で働くフリーの通訳者やコンサルタント通訳者のための情報交換の場です。そして、AIICのStaff Interpreters' Committee(スタッフ通訳グループ)は、国連機関など国内外の国際機関の専属通訳者として働く会員のためのグループです。

AIICの原理・基準

AIICでは「良質の通訳は、通訳者個人の知識・技能以上のもので決まる」と認識しています。労働条件、同僚との 協力関係、会議場の状況、同時通訳の機器の質など、通訳者のパーフォーマンスに影響を与える要因はいくつかあります。(会議通訳者は1人だけで仕事をすることはほとんどない職業ですし、使用機材には高いテクノロジーが必須な職業でもありますから。)高いクオリティが維持できるかどうかを考えた場合には、こうした環境要因が特に重要です。通訳者も他のプロの職業と同じで、有意義で長いキャリアを目指しています

「AIICとは」の項で説明した倫理要綱 (Code of Ethics)とプロとしての基準(Professional Standards)では、生涯にわたり、生産的である通訳職である為の、質の高いヴィジョンを規定しています。AIICが交渉し勝ち得た主要な国際機関との契約は、メンバーだけでなく、非メンバーにも適用され、各機関との基準および共通の基準を規定しています。

AIICには、AIIC groups and projectsと言ういくつかの活動があります。こうした活動を通して、通訳職を前進させ、これまでの達成事項を土台として、さらに新しいものを築き上げていきます。

会員の多くが、コンサルタント通訳者として、多様なクライアントのためにチームを編成して通訳サービスを提供するという仕事をしています。これには、経験や常識、対人関係のスキル、ビジネスパーソンとしての洞察力などすべてが必要であり、さらに法的・技術的諸課題をしっかりと把握していなくてはなりません。こうした課題を果敢に果たしている会員には、information sharingを通じ、AIICとして手助けをしています。

AIIC会員になることはなぜ重要なのか?

会議通訳職には公的な国際的資格証明をしてくれるところがありません。その為、その役をAIICが果たしています。通訳サービスの品質保証、通訳者の健康保持、未来の通訳者養成等、またこれらの技術的基準および労働条件がどうあるべきかに関して、AIICがひとつの基準を提示しています。AIICは「クライアントに最善のサービスを提供すること」」、「生涯にわたって通訳者のプロとしてのキャリアを守ること」、これらに貢献する事を目標としています。

長年にわたって通訳をしている人は、必ずや油断のならない状況にも直面した経験をもっています。仕事の引き合いがあったとき、断りたくないのは当然ですが、労働条件であまりにも多くの点で妥協してしまうのは、長期的に考えれば自分に不利益をもたらしかねません。落とし穴を熟知して、問題を避けるようにしないと、うまく行かなくなることが沢山あります。

  • ブースでたった一人になってしまい、誰も助けてくれない、交代もしてくれない
  • 自分の言語のコンビネーション以外の言語から通訳する、あるいはそういう言語通訳しなくてはならない
  • 遮音が充分でないブース、または会場から、同時通訳をしなくてはならない
  • ブースは5個もあるのにすべて変な方向へ向いていて、会場をモニターするテレビは1台しかない
  • 機器のオペレーターがいなくて、音が届かない等、音質が劣悪

このような問題には限りがありません。通訳者がこうした問題に対して準備・心構えがないと、大問題に発展しかねません。その為にAIICが必要であり、問題解決のために登場するのです。こうした問題や落とし穴を避けるため、適切な基準・ガイドラインを採用し、会議事業に関わるすべての利害関係者にとって最善の方法は何かを示し、それらについての情報を共有する、これがAIICなのです。

会員になるにはどうしたらいいか

AIIC会員になるということは、自分で選んだ専門的職業及び業界において、横断的に連帯・行動するグループに加わるということです。居住地はどこであろうと、近くにはAIICの会員通訳者がいます。AIICメンバーは国内の諸団体と接触し、連携しています。それらの団体を通してAIIC会員と接触を持たれた方もいるかと思います。

新規会員は、現役AIIC会員によるパフォーマンス確認 (peer review)に基づきAIICに入会しています。AIICではこれをsponsorship system(スポンサー制度)と呼んでいます。つまり、すでにAIIC会員になっている通訳者が、加入希望者の実力や人柄を保証、推薦するという制度です。この制度の対象となる為には、どのような手順等が必要かを説明した文書や、加入申請書 は、オンラインで入手できます。Applying to AIIC: a Primer という文書も入手可能ですから、具体的な例やアドバイスはそこから得られます。

参考文献:

質問・コメントなどあればお気軽にお問合せください。


Recommended citation format:
AIIC. "AIICは、会議通訳者を代表する綜合専門職能団体です". aiic.net November 22, 2016. Accessed December 16, 2017. <http://aiic.net/p/7808>.


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Comments 1

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Andre Shikongo

   

I live in namibia, I have registered a business. we want to have a group of freelance & consultant interpreters.. still getting it off the ground though. how will being a member of AIIC benefit me or any advice you have for me?

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